2026.6/15
文字の名前とグリフの名前01「文字には名前がある」
家庭教師のサリバン先生はヘレン・ケラーを庭に連れ出して片手に水をかけ、もう一方の手に指で「water」と綴りました。という話を、わたしはおそらく小学校の国語の教科書で読みました。「ものには、みんな、名前がある!」
文字にも名前があります。今どきのコンピュータ、スマホ、家電などは、ほとんどがUnicodeという文字コードを使って文字を扱っていますが、Unicodeではラテンアルファベットの「A」という文字の名前は「LATIN CAPITAL LETTER A」です。このような「名前」や名前に紐付いた「番号(コードポイント)」を通じて、それがどの文字であるかを厳密に区別することができます。

ちなみにギリシャ文字の「Α(アルファ)」の名前は「GREEK CAPITAL LETTER ALPHA」、キリル文字の「А(アー)」の名前は、「CYRILLIC CAPITAL LETTER A」です。このような見た目で区別のつかない文字の場合、名前があると助かります。ひらがな「あ」の名前も似たパターンで「HIRAGANA LETTER A」ですが、もちろんこの「A」が意味しているのはアルファベットの「エイ」ではなく音の「ア」です。
この連載ではフォント制作の現場と深く結びついた文字の名前について見ていきたいと思います。
Unicode Consortium公式サイト
(mm)