25.10.06シリーズその他 / D&Tを使ってみよう

Drop&Typeを使ってみよう05:アウトライン描写のコツ02:パスの方向

前回の記事でパスの形状を調整するときのハンドルの方向について触れましたが、今回はパス全体の方向についてフォント化する時の注意点を紹介します。 Illustrator上でパスを描画してイラストを作成する際にはパスを引くときの方向や順番を特に気にする必要はありませんが、そのパスをフォント化する場合にはパスの方向に注意が必要です。 フォント化の際には黒く塗りつぶしたい部分のパス方向を…

25.09.22シリーズその他 / D&Tを使ってみよう

Drop&Typeを使ってみよう04:アウトライン描写のコツ01:アンカーポイントとハンドル

これまでにIllustratorの「画像トレース機能」と「ペンツール」を利用した文字のアウトライン化について紹介しました。 今回からはアウトラインを描画するときのコツやフォント化する上で注意した方が良いポイントなどを紹介していきたいと思います。 まずはペンツールで文字をなぞる時の手順についてです。スキャンした文字をなぞっていく時、ついつい下書きの文字の細かい形状を丁寧に追うよう…

25.09.01シリーズその他 / D&Tを使ってみよう

Drop&Typeを使ってみよう03:Illustratorを使った手書き文字のアウトライン化02:ペンツールでなぞる

前回の記事では手書きの原稿からIllustratorの画像トレースを使用して自動的にアウトラインを作成する方法をご紹介しました。 今回はスキャンした手書き文字をIllustratorのペンツールを使って1文字ずつなぞっていく方法を紹介したいと思います。手書きの文字をスキャンする際の注意点などは前回の記事を参考にしてみてください。 スキャンした画像をIllustratorで開き、…

フォントを作る人に聞いてみた その10:日本語の文字以外で興味のある文字1「ハングル」

タイププロジェクトのデザイナー達に「日本語で使用されている文字(漢字・ひらがな・カタカナ・ラテンアルファベット)以外の文字で興味がある、またはデザインしてみたい文字」は何かを聞いてみました。 複数回答があったのは韓国語で使用されている文字の「ハングル」です。 興味を持った理由は下記のようなものでした。 ・ 完全に見た目から入っていますが、幾何形態っぽいのと、字のパーツのルールに…

25.07.28シリーズその他 / D&Tを使ってみよう

Drop&Typeを使ってみよう02:Illustratorを使った手書き文字のアウトライン化01

Drop&Typeで手描き文字をフォント化するときは、手描き文字のアウトライン化が必要です。そこで、今回はIllustratorを使って手描き文字をアウトライン化する方法を紹介します。 まずは文字を手書きしてスキャンします。画像の白と黒がハッキリしているとアウトライン化しやすいです。もし余裕があればインクの色・スキャン設定・スキャン後の色調整などで白と黒をハッキリさせて…

25.07.07シリーズその他 / D&Tを使ってみよう

Drop&Typeを使ってみよう01:簡易版!Drop&Typeを使ったフォントの作り方

Drop&Type は試作フォント生成ツールです。Adobe Illustrator で作った文字のアウトラインを専用のドロップシートに収めてドロップするだけで、専門知識がなくても簡単にフォント生成(OTF生成)をすることができます。 ではさっそくフォント作成の手順を紹介します! まず、フォントにしたい文字のアウトラインデータを用意します。アウトラインデータの作成方法は…

フォントを作る人に聞いてみた その9:比較的デザインがしやすいグリフ

前回の「デザインするのが難しいと感じるグリフ」に引き続き、今回は「比較的デザインがしやすいと感じるグリフ」は何かをタイププロジェクトのデザイナー達に聞いてみました。 回答の中で多かったのは「書体によって変わる」「あまりない」というものでした。 ・ 書体のデザインによって変わる。 ・ 書体によって変わりますが、「の」はわりと気楽に作ります。 ・ あまりない: やはりまだどのグリフ…

フォントを作る人に聞いてみた その8:デザインするのが難しいグリフ2

タイププロジェクトのデザイナー達に「デザインするのが難しいと感じるグリフ」は何かを聞いてみました。 前回は画数について言及した回答を紹介しましたが、今回はその他の回答と欧文グリフについての回答も紹介していきます。 和文関連のグリフでは「ふ」を挙げた人が2名いました。どこをつなげてどこを離すかなど骨格のバリエーションも多いですしバランスを取るのが難しいグリフなのかもしれません。 …

フォントを作る人に聞いてみた その8:デザインするのが難しいグリフ1

タイププロジェクトのデザイナー達に「デザインするのが難しいと感じるグリフ」は何かを聞いてみました。 この質問への回答は個人個人で差がありましたが、画数について触れていたものがいくつかありました。 ・ 画数が少ない漢字、ひらがな: 単純なつくりの文字ほど、要素が少なくてうまく決まらないです。 ・ その時のデザインや制約などの条件によるので特定するのが難しいですが、単純に画数の多い…

フォントを作る人に聞いてみた その7:最初にデザインするグリフ

タイププロジェクトのデザイナー達に「書体デザインをするときに最初に作るグリフ」は何かを聞いてみました。 和文デザイナーの回答の中で特定のグリフとして多く挙げられたのは「あ」でした。 また、その次に多かったのが「書体の雰囲気にあったグリフ」という回答です。 やはり最初に作る文字はその後に続く文字のデザインの基準にもなるので、書体全体のイメージを想像しやすいグリフから作業を始める人…

フォントを作る人に聞いてみた その6:数字・記号類の中で好きなグリフ

タイププロジェクトのスタッフ達に「数字・記号類の中で好きなグリフ」は何かを聞いてみました。 フォントの中には様々な数字・記号類があり和文由来のものと欧文由来のものを合わせるとかなりのグリフ数がありますが、回答に上がったのは使用頻度も高く馴染みのあるグリフたちでした。 ・ &: 意味としてはつなぎなのに主役級の華があるように感じていて、ついチェックしてしまう文字です。 ・…

フォントを作る人に聞いてみた その5:好きなラテンアルファベットのグリフ

タイププロジェクトのスタッフ達に「好きなラテンアルファベットのグリフ」は何かを聞いてみました。前回までは漢字・仮名といった和文のグリフについて好きなものを聞いてきましたが、今回は欧文のラテンアルファベットについて好きなグリフを聞いてみました。 回答が多く集まったのは「a」と「g」です。 ・ g:特徴量が多いので、いろんな足し引きがしやすく、バリエーションも多いので、見ても作って…

フォントを作る人に聞いてみた その4:好きなカタカナグリフ

タイププロジェクトのスタッフ達に「好きなカタカナグリフ」は何かを聞いた回答を紹介します。 ・ ア: 直線と曲線のバランス ・ ム: きゅっと締まったような形が好きです。 ・ ス、ネ: 築地体5号やイワタ明朝オールドの潰れていて、左ハライが長く鋭い「ス、ネ」はカッコいいから。 ・ タ:鋭いかんじの形。 ・ ヱ:この一文字だけで時代感が出せる強烈さが良いと思います。 上記のようにカ…

書体づくりの舞台裏:フォントの赤入れ04「たてる ねかせる、OK」

赤入れでは文字の一画一画も入念にチェックします。ここまでに紹介した「W、S、C、<、><」は文字全体や部首などに書き込まれることが多いのに対し、「たてる、ねかす」は筆画に対して書き込まれることが多い赤入れです。 たてるは「角度を垂直によせる」、ねかせるは「角度を水平によせる」の意味です。どのくらい角度を変えるかは他の文字とのバランスをみて判断します。 必要性から修正指示が多くな…

2025

スマートフォン向けの待ち受けカレンダーのフリー配布です。保存して待ち受けとしてご利用ください。個人利用の範囲でお楽しみください。 10月 使用フォント:TPアプリコット 9月 使用フォント:TPスカイ セミモダン 8月 使用フォント:TPスカイ クラシック 7月 使用フォント:金シャチフォント 殿 6月 使用フォント:TPスカイラウンド 5月 使用フォント:TPアイリス 4月 …

フォントを作る人に聞いてみた その3:好きなひらがなグリフ2

タイププロジェクトのスタッフ達に「好きなひらがなグリフ」は何かを聞いてみました。 前回の記事ではひらがなのデザインに言及したも回答を紹介しましたが、今回はその次に多かった「名前に使われている文字」というものを紹介します。 ・ も: 自分の名前に入ってることもあり常に向き合ってきた文字だと思います。シルエットはスマートに、横画は繋げて書くのが好きです。 ・ ひ: 「ひ」は名前で一…

フォントを作る人に聞いてみた その3:好きなひらがなグリフ1

タイププロジェクトのスタッフ達に「好きなひらがなグリフ」は何かを聞いてみました。 今回の質問に対しては回答したひらがなを選んだ理由として「書体全体の特徴がよく現れるグリフだから」というものが多くありました。前回の「好きな漢字グリフ」についての回答でもそうでしたが、一つのグリフから書体全体の個性を読み取るのは普段から様々な書体に触れ、いかに個性を持った書体を制作するかを考えている…

書体づくりの舞台裏:フォントの赤入れ03「<、><」

今回紹介するのはV字の赤入れです。V字は書き込む位置や向きで様々な指示ができます。 要素同士のあいだに書き込まれる1つのV字は「あいだが狭くなっているから、空ける」という指示です。横向きでも縦向きでも使えて、縦向きは上図の「組」のように偏と旁の間に書かれたりします。「穐」は横画を細くしてあいだを空けるといいよ、と先輩からアドバイスをもらったのでメモがしてあります。 向かい合った…

フォントを作る人に聞いてみた その2:好きな漢字グリフ3

タイププロジェクトのスタッフ達に「好きな漢字グリフ」は何かを聞いてみました。これまでの2記事では部首や構成など複数のグリフをまとめて回答しているものを多く紹介しましたが、今回の記事では1つのグリフを挙げているものを紹介します。 ・ 脩: 好きなというのとはちょっと違うかもしれませんが、この道に進む後押しをしてくれた恩師の名前です。 ・ 矢: 一番馴染み深いものだから ・ CID…

フォントを作る人に聞いてみた その2:好きな漢字グリフ2

タイププロジェクトのスタッフ達に「好きな漢字グリフ」は何かを聞いてみました。今回は漢字の構成について言及されていたものを紹介します。 ・ 東: そのフォントのフトコロや重心がよくわかるから。 ・ 愛:よく見るグリフだからというのもありますが、字面、フトコロ、締まり、抑揚など書体のコンセプトや特性がバランス良く判断できるように思います。 ・ 立春大吉のような左右対称の文字: 細か…