2026.4/20
TPフォント使用事例紹介 「書籍のタイトル その6」
パッケージや書籍、Webサイト、広告など各媒体でのタイププロジェクトのフォントの使われ方を事例を元に紹介していきます。
今回は、タイププロジェクトの明朝体が使用されている書籍をご紹介します。
※一部調整されている文字も含みます。

『科学で宗教が解明できるか』
著者:藤井修平
発行:勁草書房
書籍情報:https://www.keisoshobo.co.jp/book/b618805.html
【使用されているタイププロジェクトのフォント】
濱明朝 ディスプレイ、TP明朝 ローコントラスト、AXIS Font ベーシック
宗教の科学的研究の基礎を知ることができる本書の表紙では、デザイン要素として大きく使われている「科学」「宗教」と、帯部分の著者名およびキャッチコピーにタイププロジェクトのフォントが使用されています。
中央の白いジグソーパズルの部分に配置された「科学」「宗教」には、見出しなど大きなサイズでの使用を想定した濱明朝 ディスプレイが用いられています。
帯部分の著者名には AXIS Font ベーシック、その右側のキャッチコピーには TP明朝 ローコントラストが使用されています。
同じ表紙にタイププロジェクトのフォントが3種類も組み合わされている例は珍しく、それぞれの書体が目的に合わせて果たす役割の違いがよくわかり、とても新鮮に感じられました。

『一九八四』
著者:ジョージ・オーウェル
発行:山形浩生
書籍情報:https://www.kodansha.co.jp/book/products/0000398660
【使用されているタイププロジェクトのフォント】
純明朝 ヘッドライン
ジョージ・オーウェルの不朽の名作『一九八四』の新訳愛蔵版では、タイトルや著者名、帯部分に純明朝 ヘッドラインが使用されています。
装画は漫画家のつくみず氏によるもので、暗雲が垂れ込める中にそびえる大きな白い塔のような建造物を背景に、タイトル「一九八四」が中央に大きく象徴的にレイアウトされ、不穏な気配を漂わせています。
純明朝ヘッドラインは、純明朝よりも横画やハライの先端などが細い書体であり、その繊細でシャープな印象が、全体にただよう緊張感を強調しているのではないでしょうか。また、帯部分を含め縦組みで用いられている点も、文学作品らしい趣を感じさせます。

『魔女に首輪は付けられない』
著者:夢見夕利
イラスト:緜
発行:株式会社KADOKAWA (電撃文庫)
書籍情報:https://www.kadokawa.co.jp/product/322310000071/
【使用されているタイププロジェクトのフォント】
純明朝、TP明朝 ハイコントラスト
第30回電撃小説大賞《大賞》受賞のライトノベル作品です。魔女と捜査官が協力して魔術犯罪に挑む、ファンタジーとミステリを融合した物語で、タイトルや著者名、帯部分には純明朝とTP明朝 ハイコントラストが使用されています。
赤地に白抜き文字で配されたタイトル部分と、左右の端にイラストと溶け込むように純明朝の細いウエイトが用いられています。繊細なイラストとの相性がよく引き立っています。
また、左端の著者名・イラストレーター名や帯部分にはTP明朝 ハイコントラストが使用されています。ややクラシックな印象をもつ純明朝と、横組みを意識して設計されたモダンな印象のTP明朝が、大きな違和感なく調和しており、新鮮な組み合わせとして印象的です。
(KT)