2026.6/8

TPアプリコット開発ストーリー05:全角キリル文字・ギリシャ文字のデザイン

TPアプリコットの全角記号類の中でも、キリル文字やギリシャ文字のグリフは、少し個性的な形をしています。

これらの文字は、普段の生活の中で目にする機会があまり多くありません。キリル文字やギリシャ文字は、本来ロシア語やギリシャ語を組むための文字ですが、日本語組版を想定した全角幅のグリフを日常的に使う場面は限られています。顔文字の一部として、インターネット上で見かけたことがある、という方もいるかもしれません。

こうしたキリル文字・ギリシャ文字の全角グリフは、書体制作の中でもデザイナーを悩ませやすい存在です。とくにTPアプリコットのように、既存のジャンルに収まりきらない独自の個性を持つ書体では、その扱いはより難しく感じます。
和文用の全角グリフではありますが、文字そのものの性質は欧文に近く、ラテン文字由来のスクリプトと共通点も多いため、基本的には欧文のデザインをベースに制作を進めました。

TPアプリコットの欧文は、手書きのニュアンスを強く感じさせるデザインです。そのため、キリル文字・ギリシャ文字についても、既存の明朝体やゴシック体に見られる形ではなく、より筆書き感のある字形を採用しています。

欧文と同様に、さまざまな筆記具で描かれたキリル文字・ギリシャ文字の形を参考にしながら、独自のアレンジを加え、TPアプリコットのイメージに合うデザインへと落とし込みました。デザイナー自身がロシア語やギリシャ語を理解しているわけではありませんが、できる限り自然に見える形を模索しています。

見慣れない形に感じられるかもしれませんが、TPアプリコットならではの遊び心を感じていただけたら嬉しいです。

今回ご紹介した裏話以外にも、TPアプリコットの制作過程やコンセプトを、開発ストーリーページで詳しく紹介しています。ぜひあわせてご覧ください。

(XYZ)

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