2026.6/29

TPアプリコット開発ストーリー06:漢字の筆画同士の重なり

漢字の制作をしていく中で、筆画同士が重なる部分のデザイン処理について、検討を重ねました。

TPアプリコットのデザインは、筆画の起筆・終筆がセリフのように突き出た形になっています。複数のストロークが交差する部分で、その突き出しを一方のストロークの中に入れ込むか否か特定のルールは存在しないため、制作者同士で相談しながら、TPアプリコットのデザインにふさわしい処理の方針を決めていきました。

特に検討が大変だったのが、「右」「在」などの右側のように、左払いと縦画が重なる部分です。縦画の起筆を払いより外側に飛び出させるべきか、払いの中に入れ込んでしまうかの判断が必要でした。この組み合わせは、文字セット全体の中でもかなり多く存在し、それぞれの文字密度にも幅があったため、一律のルールを当てはめることは難しいところです。そこで、この組み合わせを含むグリフをいくつかのパターンに分類して、それぞれのパターンに合わせた処理方法を採用しました。

何千字とある文字セットの中から、この組み合わせを含むグリフを探していく作業は、なかなか骨の折れるものでしたが、制作者同士で協力して一つ一つリストアップし、検討作業を進めていきました。

デザイン処理を決める大まかな判断基準は、払いの左側の空間の広さです。広い場合は、縦画の起筆を飛び出させて、空間を埋め、狭い場合には、払いの中に起筆を埋め込んで、十分な余白を確保する、といった方針です。

ローコントラストとハイコントラストでは、特に太いウエイトで、筆画同士の間の空間の広さに大きな違いがあるため、どちらのデザインでも空間のバランスが綺麗に見えるよう調整を重ねました。

今回ご紹介した裏話以外にも、TPアプリコットの制作過程やコンセプトを、開発ストーリーページで詳しく紹介しています。ぜひあわせてご覧ください。

(XYZ)

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