2026.8/17
文字の名前とグリフの名前04「グリフとCID」
グリフについて語る前に、もう一度「文字」の定義を確認しておきます。この連載はフォントの世界の話なので、単純に文字コード(具体的にはUnicode)の符号位置と紐付いているものが文字です。なので「辻」は二点しんにょうでも一点しんにょうでも同じ文字です。
でも、これらを区別して扱いたいときがあります。そこで登場するのが「グリフ」という概念です。実は「グリフ」には2種類の異なる定義があります。おそらくより一般的な説明は「文字の具体的な形」というようなものです。これはもちろん間違いではありませんし、わたしもそんなかんじの意味で「グリフ」という言葉を使うことがありますが、この連載では別の定義を採用したいと思います。「文字(character)とは別のレベルで区別される文字の形状についての抽象的な概念」くらいのかんじでしょうか。

すみません。話が急にわかりにくくなりましたが、このあとすぐにわかりやすくなります。日本語OpenTypeフォントに収録するグリフについてはAdobe-Japan1という標準があり、グリフごとにCID(Character ID)という番号が振られていてます。Adobe IllustratorなどOpenType機能に対応したアプリケーションでは、これらを切り換えて表示することが可能です。

このような場合、グリフ標準のCIDと紐付いているものを「グリフ」と呼んでおこうということです。だから、AXISラウンド 50とTP明朝では、CID 8267(二点しんにょうの「辻」)の形はまったく異なりますが、同じグリフです。欧文フォントについては次回。
Adobe-Japan1-7 文字コレクション
https://github.com/adobe-type-tools/Adobe-Japan1/blob/master/README-JP.md
(mm)