TPスカイ モダン Blkの次に入ったのはULの制作でした。画面が真っ黒になるくらいの太さから、急に極細のULに移ったので、最初の一文字に着手した時、文字の作り方を忘れたかのように手が止まったのを覚えています。
Blackでは「黒みの調整」が多かったのに対し、ULの制作では「骨格のバランス」をより強く意識する必要がありました。文字に太さがない分、骨格がそのまま反映される状態なので、より文字の形にシビアに気を使います。
そして、Blackとの整合性も重要なポイントです。極端な話、ULでは骨格をどこまでも広げることができますが、Blackと整合性が取れていなければいけません。

特にBlackの画数が多い漢字では、骨格の広げ方やスペースの取り方に限度があります。ULだけ極端に広げてもいけないし、Blackに引っ張られすぎてもモダンらしいULにはなりません。ULの細さやスペースだけで漢字を作るのではなく、常にBlackの漢字も隣に置いて、整合性を取り続けます。
こうして極太のBlackと極細のULを揃えて、間のウエイトの制作に入ることになります。
間のウエイトにあたるBoldでは、もちろん太さの調整も必要です。モダンらしい骨格、文字ごと適切な太さ、組んだ時の黒みの揃え方など、BlackとULで見ていたポイントを総動員しての作業です。既に制作しているBlackとULが指標になっているので迷う場所は少ないですが、中間のウエイトでもしっかり「TPスカイ モダン」らしくなるように進めました。
(NM)
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