2026.9/14

TPアプリコット開発ストーリー09:書体の分類

TPアプリコットのすべてのグリフが揃い、リリースが近づく中で、会社のWebサイトの検索ページにおいて、この書体をどのカテゴリに分類するか、という議論がありました。

TPアプリコットは、スタイルごとに異なる筆記具で描かれた線をモチーフにし、果実やしたたる雫を想起させる形も取り入れた書体です。また、漢字・かな・欧文それぞれに、文字種の特性に合わせたアレンジを行っているため、既存の書体カテゴリに当てはめるのがとても難しい、独特なデザインになっています。

筆文字や明朝体のような要素を感じさせつつ、抑揚のあるサンセリフや丸ゴシックのような雰囲気も併せ持っており、見る視点によってさまざまな印象を与える書体です。

カテゴリ決定の参考として、国内外の書体制作会社やフォント販売サイトの分類方法を調べてみると、そのアプローチは実にさまざまでした。同じ系統の書体を指すカテゴリ名にも複数の表現があったり、日本語と英語では、同じカテゴリ名でも指している書体の傾向が異なっていたりするケースもあります。

明確な共通ルールのない書体分類は、とても興味深い一方で、TPアプリコットをどのように位置づけるべきか、より悩ましく感じる要因にもなりました。

スタッフ同士で意見を出し合った結果、最終的には「手書き感と筆の要素」がTPアプリコットの大きな魅力のひとつであるという点を重視し、「毛筆・カリグラフィック」のカテゴリに分類することになりました。

書体の分類方法については以前から関心がありましたが、今回の検討を通して、その奥深さを改めて感じました。デジタルフォント制作に関する技術が発達している現代では、書体デザインの幅も広がり、既存のカテゴリに収まりきらない斬新な書体も数多く生まれています。

それらをどのように分類すれば、ユーザーの方にとってわかりやすく、検索しやすい形で提供できるのか。書体デザイナーとしてとても興味深いテーマであり、また別の機会に改めてリサーチを行い、他のスタッフとも議論してみたいと考えています。

今回ご紹介した裏話以外にも、TPアプリコットの制作過程やコンセプトを、開発ストーリーページで詳しく紹介しています。ぜひあわせてご覧ください。

(XYZ)

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